スマホでマイクやギターを使って録音・配信するなら、オーディオインターフェイスが候補になります。選ぶ順番は、スマホへの対応と接続方法、電源、同時に使うマイク・楽器の数。USB-Cの端子があるという理由だけでは、必要な接続条件までは判断できません。
用途から絞るなら、マイクまたはギターを中心に持ち運んで使う人にはZOOMのAMS-22、マイクと楽器の音量を手元で調整して配信したい人にはオーディオテクニカのAT-UMX3が候補です。どちらもスマホ接続時には本体への外部給電が必要。ケーブルや電源まで含めて、一緒に選んでいきましょう。
- iPhoneの端子別に異なるケーブルと変換アダプター
- Androidで見落とせない音声の接続経路
- 機種ごとに異なる外部電源と接続順序
- マイク・楽器の同時使用で選ぶ二つの候補
スマホでオーディオインターフェイスを使うための接続条件
マイクや楽器の音をスマホに取り込んで録音・配信する

USBオーディオインターフェイスは、マイクや楽器の音声をスマホなどへ取り込んだり、接続したヘッドホンやスピーカーへ音を出したりする機器です。「外部マイクで声を収録したい」「ギターを接続して録音したい」という用途が、導入を考える出発点になります。
たとえばAMS-22の説明書では、スマホ上の録音・音楽制作アプリで本機をオーディオデバイスに選び、録音トラックを作成する使い方が案内されています。Web配信やポッドキャストの収録にも対応します。
機器をつないだ後にはアプリ側の操作もあるため、「接続できること」と「使いたいアプリで録音・配信できること」を分けて考えましょう。
もう一つ大切なのは、取り込みたい音を具体的にすること。AMS-22ではマイクとギターが同じMIC/GUITAR端子を使います。一方、AT-UMX3にはマイク入力と楽器用のライン入力があります。「歌もギターも使う」のか、「今日は歌、別の日はギター」なのかで必要な入力構成が変わります。
iPhoneはUSB-CとLightningで用意するものが違う
iPhoneで選ぶときは、まず手元の端子がUSB-CかLightningかを見ます。AMS-22の接続案内では、Type-C端子にはUSB Type-C to Cケーブル、Lightning端子にはUSB Type-A to CケーブルとLightning-USB 3カメラアダプタを使います。
USBケーブルにはデータ転送対応という条件があります。
| スマホ側の端子 | AMS-22の接続案内 | AT-UMX3の接続案内 |
|---|---|---|
| USB-C | データ転送対応のUSB Type-C to Cケーブル | 付属USBケーブル+付属Type-A–Type-C変換アダプター |
| Lightning | USB Type-A to Cケーブル+Lightning-USB 3カメラアダプタ | 付属USBケーブル+Apple社製Lightning-USBカメラアダプタ |
| 本体への電源 | スマホ接続とは別に必要 | スマホ接続とは別に必要 |
AT-UMX3に付属するType-A–Type-C変換アダプターは、スマホ側に取り付けるものです。メーカーは、本体側のUSB端子には使わないよう指定しています。LightningのiPhoneでは、この付属変換アダプターをApple社製のカメラアダプタに置き換える構成です。
単に差し込み口の形を合わせるのではなく、製品ごとの接続図を基準に揃えてください。
なお、ケーブルの構成とOSの対応範囲は別の条件です。AT-UMX3の取扱説明書に載るiOSは16.4.1で、最新情報は製品ホームページを確認するよう記載されています。この数値を「16.4.1以降ならすべて対応」と読み替えることはできません。
新しいOSで購入を検討する場合は、メーカー製品ページの対応情報も照合する必要があります。
Androidは「対応」の表示に加えて音声の接続経路を見る

AndroidでUSB接続を使いたいなら、その製品がAndroidとのUSB音声入出力を案内しているかが判断のポイントです。ZOOMのAMSシリーズは、iOS・Android端末に対応し、USB接続でドライバレス動作すると案内されています。
AMS-22でType-C端子のスマホにつなぐ場合は、データ転送対応のC to Cケーブルと外部電源を用意する構成です。
一方、接続経路が異なる例もあります。ヤマハのAG03MK2・AG06MK2は、公式のAndroid接続案内で、USBケーブルによるオーディオ入出力はできないとされています。
使うのは3.5mmの4極ステレオミニケーブルで、本体のスマートフォン入出力端子とAndroid端末のヘッドセット用端子を結びます。この接続でAndroidへ送られる音声はモノラルです。
同じヤマハの案内では、ステレオミニ端子がないAndroid端末には変換アダプタケーブルが必要とされています。つまり、「スマホ対応」という表示だけでは、USBでつなぐのか、ヘッドセット端子経由なのか、ステレオで送れるのかまでは分かりません。
手持ち機材を流用するときも、この違いが先に分かれば必要な部品を取り違えずに済みます。
AT-UMX3の説明書にはAndroid OS 10・11・12・13が記載され、最新情報は製品ホームページを参照する条件が付いています。これもAndroid全機種・全バージョンの保証という意味ではありません。

購入前にはスマホの機種名、OS、使いたいアプリをひとまとめにして、対応情報と照らし合わせましょう。
スマホ用の電源と接続順序は機種別に揃える
「USBバスパワー対応」と書かれていても、スマホだけで本体を動かせるとは限りません。AMS-22はパソコンからUSBケーブル経由で電源を受け取れますが、スマホ・タブレットで使う場合は外部電源が必要です。AT-UMX3も、スマホ利用時は家庭用コンセントに差したUSB電源アダプターから給電します。
| 機種 | スマホ使用時の電源 | メーカーが指定する順序 |
|---|---|---|
| AMS-22 | 専用ACアダプターまたは市販USBモバイルバッテリーをDC 5V端子へ接続 | 先に外部電源、その後スマホを接続 |
| AT-UMX3 | 家庭用コンセントにつないだ市販USB電源アダプターを5V DC端子へ接続 | 先にスマホ、その後USB電源アダプターを接続 |
ここは二つの機種で順序が逆です。AT-UMX3は、電源アダプターを先につなぐとスマホを認識しない場合があると明記されています。また、両機種ともスマホとの通信用USB端子と、電源供給用端子を備えています。
同じType-C形状でも役割が違うため、本体の「USB」「DC 5V」「5V DC」といった表示を見て配線します。
予算は本体価格だけで区切らず、スマホ用のデータケーブル、必要な変換アダプター、電源と給電ケーブルまで含めて考えたいところです。AMS-22を外へ持ち出すならモバイルバッテリーを使う構成、AT-UMX3を自宅で使うならコンセントから給電する構成が、各説明書に沿った準備になります。
スマホ用オーディオインターフェイスの用途別候補と使い方
マイクまたはギター中心ならZOOM AMS-22
AMS-22は、声やギターの録音・配信を小さな構成で始めたい人の候補です。本体のみの質量は85g。マイクやギターを接続するXLR/TRSコンボ入力と、音楽プレーヤーなどを接続するステレオミニのLINE INを備えています。ヘッドホン出力に加えて、左右のTRSフォーン出力もあります。
気を付けたいのは、「2-In」という表記をマイク入力2本と受け取らないこと。MIC/GUITAR入力は一つなので、マイクとギターをそれぞれ独立した専用入力へ同時につなぐ構成ではありません。LINE INにも音声を入れると、MIC/GUITAR入力の音とミックスされます。
LINE INは固定ゲインです。
そのため、マイク1本のトーク配信、ギターを接続する録音、マイクに別の音源のBGMを重ねる使い方が検討しやすい構成です。歌とギターを別入力で扱いたい場合は、次のAT-UMX3との違いが重要になります。AMS-22の接続手順と各端子の役割は、公式オペレーションマニュアルで確認できます。
マイクと楽器を手元で調整するならAT-UMX3


AT-UMX3は、マイク入力、楽器用ライン入力、USBから戻る音をそれぞれ調整できるUSBオーディオミキサーです。マイクとギター、またはマイクとキーボードを組み合わせ、配信する音のバランスを本体で操作したい人に向いています。マイクの音声を消すミュートボタンも備えています。
楽器端子はGUITARとKEYBOARDがありますが、入力したい側をスイッチで切り替える方式です。ギターとキーボードの両方を、同時に別々の楽器入力として使う前提では選ばないでください。
GUITARとKEYBOARDの接続には6.3mmモノラル標準プラグを使い、メーカーはバランス接続では正常に動作しないとしています。
| 選ぶ基準 | ZOOM AMS-22 | オーディオテクニカ AT-UMX3 |
|---|---|---|
| 主な入力構成 | マイク/ギター共用1入力+ステレオLINE IN | マイク入力+楽器入力。ギター/キーボードは切替式 |
| 音量操作の違い | MIC/GUITARのゲイン調整。LINE INは固定ゲイン | マイク・ライン・USB入力のレベルを個別調整 |
| 本体の質量 | 85g(本体のみ) | 334g |
| スマホ利用時の電源 | 専用ACアダプターまたはUSBモバイルバッテリー | 家庭用コンセントからUSB電源アダプターで給電 |
| 用途から見た候補 | マイクかギターを中心とした録音・配信 | マイクと楽器を組み合わせた配信 |
二つの候補で迷ったら、「マイクと楽器を同時に使うか」「入力ごとの音量を本体で触りたいか」を優先するとよいでしょう。AT-UMX3はその操作を重視した候補です。ただし、USB出力はステレオであり、端子の数だけ個別録音トラックが増える機器としては紹介できません。
接続と操作の詳細は公式取扱説明書にまとまっています。
BGM配信と自分の声の確認では使う機能が違う
スマホで再生するBGMをマイク音声と一緒に送りたいときに使うのが、ループバックです。AMS-22のスマホ配信例では、別の音源をLINE INに入れる方法と、スマホからUSB経由でBGMを再生してループバックする方法が案内されています。
BGMの出どころが別機器なのか、配信用スマホなのかで接続を分けます。
AT-UMX3でも、ループバックをONにするとスマホなどで再生中の音と本体への入力音をステレオミックスして、接続したデバイスへ送ります。マイク・楽器・スマホの再生音を本体で調整する使い方です。ただし、これだけで個々の配信アプリの操作や動作まで保証されるわけではありません。
一方、自分の声や演奏を聴くための機能はモニターです。AMS-22のダイレクトモニターは、入力音を直接ヘッドホンなどへ送り、録音・配信中の音を遅延なく聴くための機能。AT-UMX3にはマイクモニターミュートがあり、ヘッドホンで聴くマイク音だけを消せます。
これは、マイク入力そのものを消すマイクミュートとは別の操作です。
AMS-22でループバックをONにするときは、録音・配信アプリ側のAMS-22のモニターを無効にするよう説明書で指定されています。有効なままだと無限ループが生じ、大きなノイズが出る場合があります。本体のダイレクトモニターと、アプリ側のモニター設定を混同しないようにしましょう。
認識しない・音が出ないときは症状を分けて確認する


スマホで使えないときは、最初に本体への給電と通信用の接続を見ます。AMS-22のスマホ向けトラブル項目は、外部電源が正しく接続されているかの確認を挙げています。AT-UMX3では、スマホを接続してから電源をつないだかが重要です。ケーブルを挿す場所と順序は、前半の電源表に戻って照合してください。
認識後に音が小さい・歪む場合は、入力の調整とヘッドホンの音量を分けて扱います。AMS-22は、レベルインジケーターが赤く点灯する場合に入力ゲインを下げる案内です。録音した音の大きさはゲイン、スピーカーやヘッドホンから聴く音はOUTPUTで調整します。
ヘッドホンの音量だけを上げても、録音される入力レベルの調整にはなりません。
AT-UMX3でスマホの再生音が出ない場合は、USBケーブルの差し込み、スマホ側の音量、USB入力のLEVELが確認箇所です。ヘッドホンだけ聞こえないなら接続とPHONESの音量、マイク音だけ聞こえないならマイクモニターのミュートを見ます。
「何も聞こえない」と一括りにせず、スマホの再生音とマイク音のどちらが聞こえないかを分けると、触るつまみが定まります。
接続し直すときは、AMS-22ではスピーカーやヘッドホンをつなぐ前に音量を0にします。AT-UMX3も、ケーブルの抜き差しはGAINとLEVELを最小にして行う指定です。また、AMS-22の48Vファンタム電源は、対応していない機器に対してONにしないでください。



音が出ないからといって、電源スイッチを片端から入れる対処は避けましょう。
スマホ用オーディオインターフェイス選びのまとめ
この記事のまとめです。
- スマホ対応、接続方法、外部電源、必要な入力の順で選ぶ
- AMS-22のType-C接続にはデータ転送対応のC to Cケーブルを使う
- Lightning接続では機種が指定するカメラアダプタも必要
- Android対応でもUSB音声入出力とは限らず、モノラルになる接続もある
- 説明書の対応OSを「それ以降すべて対応」と読み替えない
- AMS-22は外部電源を先に、AT-UMX3はスマホを先に接続する
- AMS-22はマイク/ギター共用1入力とステレオLINE INを備える
- AT-UMX3はマイクと楽器を組み合わせられるが、ギター/キーボード入力は切替式
- BGMを送るループバックと、自分の音を聴くモニターを区別する
- 不具合は給電、入力レベル、再生音量、ミュートを症状別に確認する











