開放型ヘッドホンは、自宅で広がりのある音を楽しみたいときに気になる選択肢です。おすすめは、有線で音楽鑑賞や自宅制作を始めるならATH-R30x、着脱コードの使い分けまで重視するならATH-R50x。
ワイヤレスでくつろぎたいならATH-HL7BT、立体音響などの制作を目的にするならMDR-MV1が候補になります。
ただし、機種を決める前に押さえたいのが使う場所。開放型は一般に密閉型より音漏れしやすく、周囲の音も入りやすい構造です。音質だけで順位を付けるより、「同じ部屋に人がいるか」「何につなぐか」「聴くのか、作るのか」の順に考えると、自分に合う一台へ絞れます。
- 用途と予算で選ぶ開放型ヘッドホン4機種
- 音漏れと周囲の音を踏まえた使用場所
- 接続端子とアンプの必要性の見分け方
- 重さ・パッド・コードから考える装着感
開放型ヘッドホンのおすすめ4選を用途と予算で比較
| 機種 | おすすめの用途・選ぶ理由 | 接続 | 質量 | 価格の参考表示 |
|---|---|---|---|---|
| ATH-R30x | 自宅制作と音楽鑑賞の入口 | 有線 | 210g・ケーブル除く | 16,500円/価格.com掲載最安価格 |
| ATH-R50x | 制作とリスニングを兼ね、コードを使い分けたい | 有線・着脱コード | 207g・コード除く | 24,993円/価格.com掲載最安価格 |
| ATH-HL7BT | ソファなどで音楽・動画をワイヤレスで楽しむ | Bluetooth・有線 | 約220g | 13,860円/価格.com掲載最安価格、在庫は問い合わせ表示 |
| MDR-MV1 | 立体音響などの制作、空間表現の確認 | 有線・着脱ケーブル | 約223g・ケーブル除く | 59,400円(税込)/ソニーストア表示 |
価格は2026年9月24日確認時点の参考表示です。価格.comの掲載最安価格とメーカー直販価格では比較条件が異なるため、この表を同じ販売店での価格差とは捉えないでください。特にATH-HL7BTの最安値ショップは在庫が問い合わせ表示。購入時は商品価格に加え、送料と入手時期を合わせて判断しましょう。
ATH-R30x:予算を抑えて自宅制作と音楽鑑賞を始めたい人に

有線モデルを探していて、まずは自宅で音楽を聴き、ときには制作にも使いたい。そんな人にはATH-R30xをおすすめします。オーディオテクニカが自宅でのミキシング、マスタリングや制作に向けて設計したモデルで、価格.comの掲載最安価格は16,500円。
今回の有線3機種では、手を伸ばしやすい価格の候補です。
オーディオテクニカ ATH-R30x 開放型 モニターヘッドホン 有線 軽量【DTM 音楽鑑賞 楽器練習 電子ピアノ 6.3mmヘッドホン端子変換プラグ付き オープンバック スタジオモニター】
メーカーは音の特徴を、しっかりした低音域、クリアな中音域、滑らかで広がりのある高音域と説明しています。開放型という名前から「低音がほとんど出ない」と決め付ける必要はありません。細部までモニタリングするための設計が、この機種を選ぶ理由になります。
専用設計の40mmドライバーを搭載し、再生周波数帯域は15~25,000Hzです。
装着面では、ケーブルを除いて210gの軽量設計と、重さを均等に分散させるヘッドバンドが特徴。イヤーパッドは柔らかいベロア素材です。自宅の机で作業する時間が長いなら、音の傾向とともに、この支え方や耳に触れる素材も見ておきたいところ。
6.3mm変換アダプターも付属するため、接続先の端子を確認して機材と組み合わせる候補になります。
ATH-R50x:着脱コードと幅広い接続先を重視する人に
ATH-R50xは、制作にも普段のリスニングにも使い、接続先や座る場所に合わせてコードを替えたい人向けです。メーカーはプロ現場の要求に応えるモデルと位置付ける一方、スマートフォンやポータブルプレーヤーでの使用にも対応すると案内しています。
「制作向けだから業務用機器が必須」と考えなくてよい点が魅力です。
付属する着脱コードは1.2mと3.0mの2種類で、6.3mmステレオ変換プラグアダプターとキャリングポーチも付属します。たとえば接続機器が手元にある場合と、机から少し離れている場合では、必要な長さが違いますよね。
こうした配置に合わせてコードを選べることが、ATH-R30xと比較するときの具体的な検討材料です。コードにはロック機構も備えています。
音響面では45mmドライバーを採用し、再生周波数帯域は5~40,000Hz。広い音場と自然なオープンバックサウンドを打ち出しています。コードを除く重量は207gで、新規設計のヘッドバンドとヘッドパッドを採用。

選ぶ際は帯域の数字だけを見るより、制作で使うこと、コードを交換できること、モバイル機器でも聴くことに予算を割きたいかを考えてみてください。
ATH-HL7BT:ワイヤレスで音楽や動画を楽しみたい人に


開放型でもワイヤレスを選べます。ATH-HL7BTは、オープンエアー構造とBluetooth接続を組み合わせた、自宅で音楽や動画を楽しむためのモデルです。ソファでくつろぐときなど、機器とコードでつながずに使いたい人なら、まず比較したい一台。
約220gの本体に、装着時の負担を分散する設計と軽い側圧を採用しています。
2台のBluetooth機器へ同時接続するマルチポイントに対応し、マイクを使ったオンライン通話も可能です。音と映像のずれを抑える低遅延ワイヤレス仕様も備えています。音楽専用に限定せず、動画視聴や通話も一台でまとめたい人に合う構成です。
専用アプリ「Connect」では、イコライザーなどを使って音を好みに調整できます。
連続再生は最大約20時間、約10分の充電で約150分間の再生に対応します。どちらも使用条件によって変わる目安です。また、3.5mmステレオミニプラグの2.0mコードが付属し、有線接続なら電池残量を気にせず使用可能。
ワイヤレスの便利さに加えて、充電残量に左右されない接続方法も持っておきたい人に向いています。
MDR-MV1:立体音響などの制作と空間表現を重視する人に
MDR-MV1は、立体音響などの制作を目的に選びたいソニーの背面開放型モニターヘッドホンです。ソニーストア表示は59,400円(税込)。予算を上げる理由を「制作時に空間の情報を確認したい」と明確にできる人におすすめします。
ソニーは、ハウジングを音響的に塞がない構造で内部の反射音を減らし、クリエイターが意図する音場を再現すると説明しています。
低音域にも専用の工夫があります。通気を制御する音響構造に加え、背面にダクトを備えたドライバーによって、中音域との分離感を保ちながら低音の量感を確保する設計です。開放型の中でも、単に音の広がりだけを求めるのではなく、低域や各音域の関係まで制作で確かめたい場合の候補になります。
ケーブルを除く質量は約223gで、イヤーパッドにはスエード調人工皮革を採用。ケーブルはねじ式ロックリングで固定する着脱式です。イヤーパッドも自分で交換できますが、交換品はサービスパーツ扱いという条件があります。長く使う道具として選ぶなら、こうした交換可能な部分も見ておくとよいでしょう。
開放型ヘッドホンのおすすめを選ぶ前に確認したい4つのこと
音漏れと周囲の音が許容できる場所で使う
開放型は、音を出すドライバーユニットを覆うハウジングを密閉しない構造のヘッドホンです。空気が出入りできるため音がこもりにくく、広がりのある音を楽しめる傾向があります。オープンエアー型とも呼ばれます。一方、密閉型はハウジングがふさがれており、外への音漏れと周囲から入る音を抑える方向の構造です。
この違いから、開放型は静かな自室で聴く用途を中心に考えるのがおすすめです。家族と同じ部屋で使うなら、音が外に出ることが困らないかを先に検討しましょう。自宅用というだけで音漏れの問題がなくなるわけではありません。
ATH-HL7BTもメーカーが構造上の音漏れを明記しており、ワイヤレスだから公共の場所向きとは限りません。
また、周囲の音が聞こえやすいことは、良い面と気になる面が表裏一体です。家族の呼びかけに気付きやすい一方、生活音を遮って音楽に集中したい人には合わないこともあります。電車や図書館での使用、周囲の音を抑えることが主目的なら、密閉型も含めて選び直すほうが用途に合います。
スマホ・PCの端子とアンプの必要性を分けて考える


接続で最初に見るのは、使う機器にどの端子があるかです。たとえばMDR-MV1のケーブルは6.3mmステレオ標準プラグで、付属アダプターを使うと3.5mmステレオミニジャックへ接続できます。ソニーが案内するPCやスマートフォンとの接続も、この3.5mmジャックを備えていることが条件です。



スマートフォンという機器名だけで、手持ちの端末へそのまま挿せると判断しないようにしましょう。
次に考えるのが、接続先で必要な音量を得られるかという点。「開放型なら別売アンプが必須」と一律には決められません。ATH-R50xはメーカーがスマートフォンやポータブルプレーヤーでの使用を案内し、MDR-MV1も前述の端子条件でポータブル機器との接続に対応しています。
ATH-HL7BTは本体にDACとヘッドホンアンプを搭載するワイヤレスモデルです。
仕様を見る際の手掛かりは、インピーダンスと感度です。インピーダンスは交流の電気に対する抵抗を表す値で、高いモデルでは接続機器によって十分な音量が得られない場合があります。感度は一定の入力に対してどれほどの音が出るかを示すもの。
音量には複数の仕様が関わるため、「何Ω以下なら必ずアンプ不要」と境界を決めず、候補機種と接続機器の組み合わせで判断します。
重さだけでなくヘッドバンドとイヤーパッドを見る
長く装着するなら軽さは気になりますが、比較表の数グラム差だけで決めるのはもったいないところ。メーカーが装着感のために何を工夫しているかまで見てみましょう。ATH-R30xは重さを均等に分散するヘッドバンド、ATH-HL7BTは頭との接触面積を大きく取った負担分散と軽い側圧を特徴としています。
同じ軽量設計でも、支え方に違いがあります。
耳に触れる部分も比較ポイントです。ATH-R30xはベロア素材、MDR-MV1はスエード調人工皮革。ATH-HL7BTは、耳に触れる柔らかい層と、音を伝える硬めの層を組み合わせた2層構造のイヤーパッドを採用しています。
試着できるなら、頭頂部での支え方、耳まわりの当たり方、締め付け感をそれぞれ比べると、重さの数字だけでは決めにくい差を確かめられます。
私なら、机で制作する一台はヘッドバンドとパッドのフィット感を、ソファで聴く一台はそれに加えてコードの有無を重視します。どちらも長時間使う前提ですが、姿勢と接続先が違うからです。重さ・素材・有線か無線かを一緒に見て、自分が普段使う場所に合うものを選びましょう。
音楽制作とゲームでは求める機能を分ける


音楽制作が主目的なら、メーカーがどの作業を想定しているかを軸に選べます。ATH-R30xは自宅でのミキシングやマスタリング、ATH-R50xは要求の厳しいオーディオ制作、MDR-MV1は立体音響などの制作に向けたモデルです。
まず自宅制作を始めるのか、空間情報まで扱う制作をしたいのかで、予算をかける理由が変わります。
ゲーム用途では、開放型という構造だけで選ばず、音と映像のずれ、接続方法、通話に必要な機能を分けて考えましょう。ATH-HL7BTには低遅延ワイヤレス仕様とオンライン通話用のマイクがあります。ただし、メーカーの説明は音と映像のずれを「抑える」というもの。
遅延がなくなる、どのゲーム機でも同じように使える、対戦で有利になるという保証ではありません。
音楽や動画を楽しむ時間が中心なら、ワイヤレス・有線の両方を使えるATH-HL7BT。机で音を作る時間が中心なら、予算とコードの使い勝手でATH-R30xかATH-R50x。立体音響などの制作が目的ならMDR-MV1。このように使う場面から一台を選び、最後に端子と装着感を確かめる流れがおすすめです。
開放型ヘッドホンのおすすめと選び方のまとめ
この記事のまとめです。
- 有線で自宅制作と音楽鑑賞を始めるならATH-R30xが候補です。
- ATH-R50xは1.2mと3.0mの着脱コードを付属し、接続先との距離に合わせて使い分けられます。
- ワイヤレスで音楽・動画・通話をまとめたいならATH-HL7BTが向いています。
- ATH-HL7BTの連続再生は最大約20時間。使用条件によって異なり、有線接続にも対応します。
- 立体音響などの制作と空間表現を重視するならMDR-MV1が候補です。
- 価格の参考表示は2026年9月24日時点。ATH-HL7BTの掲載最安値ショップは在庫が問い合わせ表示です。
- 開放型は一般に音漏れしやすいため、同室の人や周囲の音を考えて使用場所を選びます。
- スマホ・PCへの接続は端子が条件。開放型という理由だけで別売アンプが必須になるわけではありません。
- 装着感は重量だけでなく、ヘッドバンドの支え方とイヤーパッドの素材・構造も比較します。
- ゲーム用途は接続と通話機能も検討し、低遅延仕様を遅延ゼロやゲーム機への対応保証と捉えないことが大切です。
参考にした情報
- MDR-MV1 | ヘッドホン | ソニー
- 開放型ヘッドホンとは?メリット・デメリットや選び方、おすすめ製品を解説
- 知っていそうで意外に知らない『スペック』の読み方:ヘッドホン/イヤホン編 – Always Listening by Audio-Technica(オーディオテクニカ)
- MDR-MV1 主な仕様 | ヘッドホン | ソニー
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