モノラルスピーカーは、声やBGMを気軽に楽しみたいときの選択肢です。一方、音楽の左右への広がりや楽器の位置関係を楽しみたいなら、ステレオ再生が向いています。モノラルだから音質が悪いと決めず、何をどう聴きたいかから選ぶのが出発点です。
家庭で使うなら、再生方式と一緒に接続方法も見ておきましょう。スマートフォンの音楽をBluetoothで聴く機種と、テレビのヘッドホン端子につなぐ機種では、必要な設備が違います。この記事では、その違いを整理しながら、1台で使う候補と2台へ増やす場合の条件まで紹介します。
- モノラルとステレオのチャンネル数の違い
- 声・BGMと音楽の広がりによる使い分け
- スマホ用とテレビ用で異なる接続条件
- 候補3機種の特徴とステレオペアの条件
モノラルスピーカーとステレオの違いを知る
モノラルは1チャンネル、ステレオは左右2チャンネル

モノラルは音声を1つのチャンネルで再生する方式、ステレオは左右2つのチャンネルで再生する方式です。ここでいう違いは、音声を一つにまとめて出すか、左右に分けて出すかということ。ステレオでは、左右のチャンネルへの音の割り当てによって、音楽に広がりや位置の違いを表現できます。
| 比較する点 | モノラル | ステレオ |
|---|---|---|
| 再生チャンネル | 1つ | 左右の2つ |
| 音の広がり | 一つにまとまった音として聴こえる | 左右への音の配置を表現できる |
| 用途の目安 | ポッドキャストなどの声、BGM | 音楽や映像の臨場感を楽しむ用途 |
| ステレオ録音を再生するとき | 左右をまとめると、左右の分離感は減る | 左右の違いを生かして再生できる |
「モノラルだと曲の片側しか聴こえないのでは」と心配する方もいるかもしれません。左右の音をまとめて再生するモノラル機なら、片側だけを聴くという意味ではありません。たとえばオーディオテクニカは、AT-MSP70TVを左右の音がまとまって出るモノラルタイプと説明しています。
ただし、この製品の再生方式と、別の機器で片側の出力だけを使う接続は分けて考えましょう。
音質の優劣より、声・BGM・音楽の聴き方で選ぶ
ステレオの強みは、左右の違いを使った臨場感です。ステレオで録音・ミックスされた曲をモノラルで聴くと、その分離感が減り、音が中央へまとまって聴こえます。楽器の広がりを味わいたい人にとっては、この違いが物足りなさにつながることがあります。
一方、声の内容に集中する用途では、左右への広がりが最優先とは限りません。スピーカーメーカーのSonosは、ポッドキャストを主に聴く場合や、単一の音声・楽器の明瞭さに注目する場合にモノラルが適していると説明しています。
会話中心の番組を聴くために選ぶなら、モノラルという理由だけで候補から外す必要はないでしょう。
BGMにもモノラルが向く場面があります。Sonosが挙げているのは、特に複数のスピーカーで広い空間をカバーする場合です。移動する人にも同じ内容を届けやすいという考え方であり、小型の1台を置けば部屋のどこでも同じ音量になる、という意味ではありません。
自宅では、声やBGMを流したいのか、曲の左右の広がりまでじっくり聴きたいのかを選択の軸にするとよいでしょう。
スピーカー1台でもステレオの製品はある

本体が1台であることと、モノラルであることは同じではありません。 一つの本体に左右それぞれの音を出す構成を備え、ステレオ再生する製品もあります。Sonosも、左右のチャンネル用に個別のドライバーを備えるスピーカーなら、1台でステレオ再生できると説明しています。
入力端子の名前にも注意が必要です。AT-MSP70TVはモノラルスピーカーですが、入力はφ3.5mmステレオミニプラグです。「ステレオ」という文字が端子の仕様にあっても、本体から左右に分けて再生するとは限りません。商品説明では、端子の種類と再生方式を別々に読みましょう。
Bluetoothと有線は、音声入力と電源を分けて確認する
スマホから音楽を流すなら、まずBluetooth接続の候補を見ていきましょう。たとえばソニーのSRS-XB100はBluetoothに対応し、USB Type-C端子は充電に使います。公式比較表では、充電端子を除く入力端子は「なし」です。

USBケーブルが付いているから有線で音楽も入力できる、と判断しないことが大切です。
テレビ用のAT-MSP70TVは、音声用のミニプラグをテレビのヘッドホン出力端子へ接続し、USBは別に給電へ使う構成です。必要なのは音声の出口と電源の両方。テレビにUSB端子があるだけでは接続条件を満たしませんし、そのUSB端子が給電に対応しているかも確認が必要です。
選ぶ順番は、使う機器の音声出力、候補スピーカーの音声入力、最後に電源です。スマホの音楽用とテレビの手元用を同じ「小型スピーカー」として比べるより、先にこの組み合わせを決めておくほうが、購入後の接続違いを避けられます。以下では、接続方法と使いたい機能が異なる3機種を見ていきます。
モノラルスピーカーの候補と2台で使うときの選び方
スマホの音楽と通話に使うならSRS-XB100
ソニーのSRS-XB100は、1台ではモノラル再生を行うワイヤレスポータブルスピーカーです。本体は最大突起を含めて約直径76×高さ95mm、充電池込みで約274g。ストラップも付属し、家の中で持ち運ぶ小型機の候補になります。
電池持続時間は、広告上の約16時間だけでなく使用条件まで見ておきましょう。ヘルプガイドでは音量36で約16時間、最大音量50で約5時間、JEITA規定の条件では約12時間と案内されています。これらはソニー所定の音源による測定値で、楽曲、温度、使用状況でも変わります。
大きな音で使う予定なら、約16時間をそのまま見込まないほうがよいでしょう。
音楽に加えてハンズフリー通話を使いたい人にも候補です。ただし、接続するスマートフォンやPCなどがBluetoothとHFP接続に対応している必要があり、ソフトや環境によっては対応しません。「音楽が再生できる」ことと「使っている会議ソフトで通話できる」ことは分けて判断してください。
内蔵充電池のほか、市販のUSB ACアダプターでコンセントにつないだ状態でも使えます。USB Type-Cケーブルは付属しますが、USB ACアダプターは市販品を用意する方式です。小さな1台から始めて、同じSRS-XB100を追加すればステレオ再生へ進める点も、この機種を選ぶ理由になります。
音の調整と2台への拡張を考えるならJBL Go 4


JBL Go 4は、持ち運び用の一体型ループを備える小型Bluetoothスピーカーです。JBL Portableアプリで音の調整ができ、高音・中音・低音を好みに合わせて変えられます。小型機でも音のバランスを調整したい人が検討しやすい候補です。
HARMAN International Industries, Incorporated JBL Go 4 GO 4 を探す
連続再生は通常で最大7時間、プレイタイムブーストモードでは最大9時間。日本語仕様書は、再生時間が音量レベルやオーディオコンテンツによって異なることも明記しています。SRS-XB100と比べるときは、各社の公称時間を同じ条件で測った実測結果として扱わず、使うモードを含めた目安にしましょう。
置き場所に余裕がない場合は、寸法表記に注意が必要です。公式製品ページは幅×高さ×奥行きを9.4×7.8×4.2cm、日本語仕様書は94.3×75.7×42.2mmと記載しており、表記が一致していません。棚などへぴったり収めたい場合は、購入前にメーカーへ寸法を確認してください。
ステレオ再生はGO 4を2台組み合わせる方式です。複数のJBL Auracast対応スピーカーへ音声を配信・共有する機能もありますが、日本語仕様書はステレオペアリングを同機種の機能として説明しています。
ほかの対応機種と音を一緒に鳴らせることと、その組み合わせで左右のステレオペアになることは同じではありません。
テレビの音を手元で聴くならAT-MSP70TV
オーディオテクニカのAT-MSP70TVは、テレビの音声を手元へ届けるモノラルアクティブスピーカーです。左右の音をまとめて再生し、本体のボリュームノブで音量を調整します。スマホの音楽を持ち歩く用途より、テレビのそばから座る場所まで有線でつなぎたい場合の候補です。
| 購入前に見る項目 | AT-MSP70TVの仕様・条件 |
|---|---|
| 音声入力 | φ3.5mmステレオミニプラグをテレビのヘッドホン出力へ接続 |
| コードの長さ | 入力コード、USB電源コードとも約5m |
| 給電 | USB Type-A、DC5V |
| 市販USB電源アダプター | 5V/1A以上に対応したものを使用。本体には付属しない |
| テレビのUSBを使う場合 | 給電対応の端子が必要 |
| 本体寸法 | 高さ86×幅90.4×奥行き70.5mm、突起部を除く |
| 質量 | 約250g、コードを除く |
この機種はUSBから給電して使うため、電池交換の手間を避けたい場合に合います。ただし、テレビのUSB端子が給電に対応しない場合もあります。そのときは、市販の対応USB電源アダプターを使って家庭用コンセントにつなぐ方法があります。



テレビから電源を取れることを購入の前提にするなら、テレビ側の仕様まで見ておきましょう。
家族と一緒にテレビを見るなら、テレビ本体と手元スピーカーから同時に音を出せるかも選択条件です。AT-MSP70TVの説明書では、テレビ側の音声出力を切り替えられる機種なら両方から出せると案内しています。すべてのテレビで自動的に同時出力されるわけではなく、設定名や手順も機種によって異なります。
また、AT-MSP70TVへヘッドホンを挿すと、本体スピーカーからは音が出ません。
2台でステレオにするなら、対応機種と設定条件をそろえる


モノラル機を2台に増やすときは、メーカーが指定するステレオペアの条件を確認しましょう。SRS-XB100は同じSRS-XB100を2台、JBL Go 4はGO 4を2台使う構成です。将来2台にしたいなら、最初の購入時点でこの対応関係まで見ておくと、追加する機種が明確になります。
SRS-XB100のStereo Pairでは、1台が左チャンネル、もう1台が右チャンネルを担当します。単独使用時の対応コーデックはSBCとAACですが、Stereo Pair使用時はSBCへ自動的に切り替わります。
2台に増やしても単独使用時の接続条件がすべてそのまま続くわけではない点は、覚えておきたいところです。
- SRS-XB100と接続機器の音量を小さくするか、音楽再生を停止します。
- 2台を1m以内へ近づけ、両方の電源を入れます。以前の機器へ自動接続された場合は、その機器側でBluetoothをオフにするなどして接続を切ります。
- 1台目のBluetooth/ST PAIRボタンを約2秒押し続け、もう1台でも同じ操作をします。2台目の設定は1分以内に行います。
- Left/Rightの音声ガイダンスと、両方のST PAIRランプの点灯を確認します。
- Bluetoothランプが点滅している側をスマホなどへ接続し、再生して適度な音量に調整します。
この手順はSRS-XB100用です。ランプの状態など細かな分岐は、ソニーのStereo Pairヘルプガイドで確認できます。声やBGMを1台で楽しむところから始め、左右の広がりが欲しくなったら対応する同機種を追加する。用途が決まっていれば、最初から2台にそろえるかどうかも判断しやすくなります。
モノラルスピーカーの選び方まとめ
この記事のまとめです。
- モノラルは1チャンネル、ステレオは左右2チャンネルで再生する方式です。
- 声やBGMにはモノラルも候補。左右の広がりを楽しむ音楽鑑賞にはステレオが向いています。
- 本体が1台でもステレオ再生する製品があり、台数だけでは再生方式を判断できません。
- 音声入力と電源は別に確認し、USB端子が音声入力にも使えると思い込まないことが大切です。
- SRS-XB100は小型のモノラル機。通話には接続機器のHFP対応などの条件があります。
- SRS-XB100の約16時間再生は音量36での測定値で、最大音量では約5時間です。
- JBL Go 4はアプリで音を調整でき、通常最大7時間、プレイタイムブーストでは最大9時間再生です。
- JBL Go 4は公式資料間で寸法表記に差があるため、狭い場所へ収める場合は確認が必要です。
- AT-MSP70TVはテレビのヘッドホン出力とUSB給電を使う有線機。同時にテレビから音を出せるかはテレビ側の仕様・設定によります。
- SRS-XB100もGO 4もステレオペアは同機種2台が条件。SRS-XB100のStereo Pair使用時はSBCへ切り替わります。
参考にした情報
- モノラルとステレオサウンドの違いとは? – Sonos
- SRS-XB100 | アクティブスピーカー/ネックスピーカー | ソニー
- SRS-XB100 主な仕様 | アクティブスピーカー/ネックスピーカー | ソニー
- SRS-XB100 | ヘルプガイド | 2台のスピーカーを使用してワイヤレス再生を楽しむ(Stereo Pair機能)
- JBL Go 4 | ウルトラポータブルBluetoothスピーカー
- JBL%20Go%204_%20Specsheet_JP.pdf
- SRS-XB100 | ヘルプガイド | 充電する
- ニュース:AT-SP270TV|オーディオテクニカ
- AT-MSP70TV_UM.pdf
- アクティブスピーカーかんたん機能比較表 | アクティブスピーカー/ネックスピーカー | ソニー










