有線・無線両用ヘッドホンの選び方|電池切れ・マイクの違いと候補3機種

有線・無線両用ヘッドホンの選び方|電池切れ・マイクの違いと候補3機種

有線・無線両用ヘッドホンを選ぶなら、最初に決めたいのは「有線で何をしたいか」です。電池切れでも音楽を聴きたい、有線でもノイズキャンセリングを使いたい、ケーブルで通話したい。この3つは、同じ両用モデルでも対応が異なります。

候補は、有線でのノイズキャンセリングを重視するならソニー「WH-1000XM6」、付属ケーブルでの通話と電池切れ時の再生を重視するならオーディオテクニカ「ATH-S300BT」。USBでの音楽再生も選択肢に入れるなら「JBL Tour One M3」が挙がります。

ただし、JBLはUSB接続について日本語説明書内に説明の不一致があり、後半で購入前の確認点を示します。

この記事のポイント
  • 有線時の電源と機能から選ぶ両用ヘッドホン
  • 3.5mmとUSBで異なる接続条件
  • 内蔵マイクとケーブルのマイクの使い分け
  • 用途別に比較するソニー・オーディオテクニカ・JBLの3機種
目次

有線・無線両用ヘッドホンで先に確認したい4つの違い

両用のメリットは切り替えの自由、注意点は機能の変化

両用のメリットは切り替えの自由、注意点は機能の変化

両用モデルは、Bluetoothで聴く使い方と、ケーブルで音源機器につなぐ使い方を選べます。たとえばWH-1000XM6は、付属ヘッドホンケーブルで音楽を聴き、電源が入った状態でケーブルを抜けばBluetooth機能を使える設計です。

普段は無線、机で聴くときは有線という使い分けを、1台で考えられます。

ただし、両用だからといって、有線と無線の音を同時に扱えるとは限りません。WH-1000XM6では、ヘッドホンケーブル使用中はBluetooth機能を使えません。

「パソコンの音は有線で聴きながら、スマホのBluetooth通話も同じように受けたい」という使い方は、両用という表示だけでは判断できない部分です。

操作方法も変わります。WH-1000XM6の有線接続では音量調節や再生・一時停止を再生機器側で行い、ATH-S300BTも有線時は本体のボタンを操作できません。ケーブルを挿せば無線時の機能がそのまま残る、という選び方は避けたいところ。

よく使う操作と、有線に切り替えたときに残したい機能を分けて考えましょう。

3.5mm接続とUSB接続は、ケーブルの両端まで見る

有線接続を選ぶときは、スマートフォンやパソコン側の端子と、ヘッドホン側の入力を組み合わせて見ます。WH-1000XM6の音声入力はステレオミニジャック。ATH-S300BTには、3.5mmの4極ステレオミニプラグを備えたマイク内蔵リモコン付きコードが付属します。

音を聴く用途と、声を送る用途では、見るべきケーブルの仕様も違います。

JBL Tour One M3は、本体側にUSB Type-Cを使う構成です。付属品にはType-C同士のケーブルと、Type-Cから3.5mmへつなぐオーディオケーブルがあります。説明書の有線接続手順では、3.5mmプラグを音源機器側へ、Type-C端子をヘッドホン側へ接続します。

「3.5mm対応」という言葉から、本体にも3.5mmジャックがあると思い込まないことが大切です。

また、付属品にUSBケーブルがあるという理由だけで、USB音声入力に対応すると決めないようにします。ATH-S300BTの説明書は、充電用USBケーブルと音声用のマイク付きコードを別々に記載しています。一方、JBLは製品ページでUSBによる音声再生を明記。

購入時は「USB端子あり」よりも、希望する接続方法で音声を再生する説明があるかを優先します。

電池切れの再生と、有線でのノイズキャンセリングは別条件

電池切れの再生と、有線でのノイズキャンセリングは別条件

充電忘れへの備えが目的なら、電源を使わずに聴けることを条件にしましょう。ATH-S300BTは、充電がなくなっても付属コードで音楽を再生できる「スルー機能」を搭載。WH-1000XM6も、ヘッドホンの電源を切った状態でケーブルによる音楽再生ができます。

これに対しJBL Tour One M3の説明書は、ケーブルで音声を再生するときに本体の電源をオンにするよう指定しています。

一方、有線で音が出ることと、ノイズキャンセリングが働くことは別です。WH-1000XM6は、有線でも電源を入れればノイズキャンセリングを使用できますが、電源オフでは使えません。電池を使わずに聴く状態と、周囲の音を抑えながら聴く状態を切り替えるモデル、と捉えると条件がはっきりします。

ATH-S300BTでは、有線時にアンビエンスコントロールを使用できません。この機能は、ノイズキャンセリングや外音を取り込むヒアスルーを切り替えるものです。したがって、同機の有線接続は電池切れ時の再生やケーブルでの通話に向く一方、有線でもノイズキャンセリングを使いたい人には条件が合いません。

通話はマイクの場所、動画・ゲームは接続ごとの機能で選ぶ

会議や通話にも使うなら、「マイク搭載」だけで決めず、有線時にどのマイクを使うかを見ます。WH-1000XM6の付属ケーブルによるスマートフォン通話は、相手の声をヘッドホンで聴き、自分の声はスマートフォンのマイクで送る方式。

無線通話と同じ感覚で、ヘッドホンだけを装着すれば済むとは考えないほうがよいでしょう。

ATH-S300BTは、付属コード自体にマイクとリモコンがあり、メーカーもオンライン通話への利用を案内しています。リモコンの短押しで着信を受けたり通話を終了したりできますが、一部のスマートフォンでは操作できない場合があります。

仕事用に選ぶなら、音声出力だけでなくマイクも使うことを前提に、接続先との適合を確かめたい機種です。

動画やゲームを無線で楽しむ場合、ATH-S300BTには音の遅延が少ない再生を行う低遅延モードがあります。ただし、障害物や電波状況によってBluetooth通信が途切れやすくなる場合があり、有線時にはこのモードを使えません。

低遅延モードは無線での選択肢として捉え、「有線・無線両用なら、どの接続でも遅延や機能が同じ」とは扱わないようにします。

有線・無線両用ヘッドホンの候補3機種を用途別に比較

比較表は再生時間より先に、有線で残したい機能を見る

私は両用モデルを比べるとき、まず有線に切り替える理由から候補を絞ります。電源オフで音楽を聴くためなのか、ノイズキャンセリングを使いながらケーブル接続するためなのか。この条件が合ってから、普段の無線利用で必要な電池持ちを比べる順序です。

機種有線接続の特徴電源・機能の条件無線の音楽再生時間の公称値
ソニー WH-1000XM6付属ヘッドホンケーブルで接続電源オフで再生可能。有線のノイズキャンセリングは電源オンが必要NCオン最大30時間/オフ最大40時間
オーディオテクニカ ATH-S300BT1.2mのマイク内蔵リモコン付きコードが付属電池切れでも再生可能。有線時はアンビエンスコントロール不可NCオン最大約60時間/オフ最大約90時間。使用条件による
JBL Tour One M3Type-C同士とType-C–3.5mmのケーブルが付属有線再生も本体電源オンを指定。USBの条件は下記参照ANCオン最大40時間/オフ最大70時間

NC・ANCはいずれも、ここでは各社が示すノイズキャンセリングのオン・オフ条件です。表の時間は音楽再生の公称値で、通話時間ではありません。また、メーカーごとの仕様を並べたもので、同一条件の実測比較ではありません。

普段ノイズキャンセリングを使うなら、オフ時の大きな数字だけでなくオン時の欄を見てください。

WH-1000XM6|有線でもノイズキャンセリングを使いたい人に

WH-1000XM6|有線でもノイズキャンセリングを使いたい人に

ソニーの「WH-1000XM6」は、無線を中心に使いつつ、ケーブル接続でもノイズキャンセリングを活用したい人の候補です。付属のヘッドホンケーブルは約1.2m。折りたたみ機構とキャリングケースも備えており、持ち運ぶ機会がある人には接続方式以外の検討材料になります。

使い方は、電源を切って有線で聴く状態と、電源を入れて機能を利用する状態に分かれます。ノイズキャンセリングや外音取り込みに加え、ハイレゾリューション・オーディオ再生も、ソニーは電源を入れて使うよう案内しています。有線で高音質機能まで使いたいなら、充電は引き続き必要な準備です。

有線中の操作は再生機器側が基本ですが、電源オンならクイックアテンションモードとスピーク・トゥ・チャットは使用できます。ただし、ケーブルで通話するときはスピーク・トゥ・チャットを無効にする指定があります。有効なままだと相手の声が聞こえなくなるためです。

有線通話を主目的にするより、音楽を聴く機能を重視して選びたいモデルです。

接続には付属ヘッドホンケーブルを使用するよう指定されています。機能と操作の詳細は、ソニーの有線接続ガイドで確認できます。

ATH-S300BT|有線通話と電池切れへの備えを重視する人に

オーディオテクニカの「ATH-S300BT」は、長時間の無線リスニングに加え、付属コードでの通話まで考えたい人に向く候補です。Bluetoothでの音楽再生は、ノイズキャンセリングオンで最大約60時間、オフで最大約90時間。

いずれも使用条件によって異なりますが、ノイズキャンセリングを使う前提でも電池持ちを検討できる仕様です。

有線側の特徴は、1.2mのマイク内蔵リモコン付きコードが最初から付属すること。ヘッドホン本体のマイクとは別に、コードにもマイクを備えています。メーカーがこの付属ケーブルによるオンライン通話を案内しているため、机ではケーブルを使って会話したい、という目的に結び付けやすい製品です。

代わりに、有線時は本体のボタン、アンビエンスコントロール、低遅延モードなどを使えません。無線ではノイズキャンセリングや低遅延モードを活用し、有線ではスルー機能やコードのマイクを利用する、という役割分担です。両方の接続で同じ機能を求める人より、それぞれの用途がはっきりしている人に合います。

付属リモコンは再生・一時停止や曲送りにも対応しますが、一部のスマートフォンでは操作できない場合があります。対応操作はATH-S300BTの有線接続ガイドにまとまっています。

JBL Tour One M3|USB音声再生も検討したい人の候補

JBL Tour One M3|USB音声再生も検討したい人の候補

「JBL Tour One M3」は、Bluetoothに加え、USBによる音楽再生を検討したい人の候補です。製品ページは、内蔵のデジタル/アナログ変換器を使い、付属USB Type-Cケーブルで音声を再生できると説明しています。

Type-C同士のケーブル、Type-C–3.5mmケーブル、Type-C–Type-Aアダプターが付属する構成です。

3.5mmの音声出力を使う場合も、ヘッドホン側はType-C端子へつなぎます。日本語説明書の有線接続の節では、まず本体の電源をオンにする手順です。USB端子があるパソコンなどにはType-C同士のケーブルを使用でき、付属アダプターを使えばType-A端子へ接続できるとも記載されています。

購入前に確認したいのは、USB再生と充電の関係です。日本語説明書5ページはUSBケーブルでの音声接続を案内する一方、3ページの充電説明には「充電用ケーブルでパソコンにつないでも楽曲を聴けない」「充電中は使用できない」という記載があります。

説明書内で一致していないため、USB再生を主目的にする場合は、使う機器とケーブルを示してJBLへ条件を確認してください。充電しながら再生できるとは、ここでは保証できません。

無線での再生時間はANCオンで最大40時間、オフで最大70時間です。また、ここで挙げているのは通常のJBL Tour One M3。説明書では、スマートTXオーディオトランスミッターは「TOUR ONE M3 SMART TX」のみに付属すると区別されています。

通常モデルの付属品に送信機まで含まれると考えず、購入する製品名を見てください。

USB接続を含む音楽再生の候補としては魅力がありますが、有線時のマイク利用は別に確認が必要です。JBL Tour One M3の製品ページと日本語取扱説明書を参照し、通話も必須なら、その接続方法で声を送れるかまで問い合わせるのが確実です。

有線・無線両用ヘッドホンの選び方まとめ

この記事のまとめです。

  • 両用モデルは、有線に切り替えたときに残したい機能から選びます。
  • WH-1000XM6はケーブル使用中にBluetooth機能を使えません。
  • USBケーブルの付属だけでUSB音声入力への対応を判断せず、音声接続の説明を見ます。
  • ATH-S300BTは電池切れでも、WH-1000XM6は電源オフでも、有線で音楽を再生できます。
  • WH-1000XM6で有線のノイズキャンセリングを使うには、本体の電源オンが必要です。
  • ATH-S300BTは有線時にノイズキャンセリングを含むアンビエンスコントロールを使えません。
  • 有線通話では、WH-1000XM6はスマートフォン側のマイク、ATH-S300BTは付属コードのマイクが判断のポイントです。
  • ATH-S300BTの低遅延モードは無線での選択肢で、電波状況などにより通信が途切れやすくなる場合があります。
  • 電池持ちはノイズキャンセリングのオン・オフをそろえて、公称値として比較します。
  • JBL Tour One M3は有線再生にも電源オンを指定。USB再生と充電の説明には不一致があり、購入前の確認が必要です。
  • 通常のJBL Tour One M3には、SMART TXモデル専用の送信機が付属するとは扱いません。
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この記事を書いた人

音の道具が好きで、買い物には少し慎重。マイクやイヤホン選びを、予算・接続・置き場所から一緒に考えます。家で聴く・録る時間を心地よくするヒントをお届けします。

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