ヘッドホンのヘッドバンドは、機種によって交換の方法が違います。交換用の純正ヘッドパッドが用意されているものもあれば、メーカーの修理メニューとして交換を受け付けているものもあります。まずは「部品を取り替えたい」「今のバンドをカバーで覆いたい」「破損を修理したい」のどれに当たるかを分けましょう。
たとえば、beyerdynamicのDT 700 PRO X/DT 900 PRO Xには取り付け交換できる純正パッドがあります。オーディオテクニカのATH-M50xでは、ヘッドバンド交換の修理目安を公式サイトで確認できます。
この記事では、この違いを出発点に、手元のヘッドホンで選べる方法と費用の見方を案内します。
- パッド交換・カバー・本体修理の使い分け
- 型番と部品名による交換可否の確認
- ATH-M50xのヘッドバンド交換費用の目安
- 保証・送料・預ける期間を含めた修理の判断
ヘッドホンのヘッドバンド交換は、部位と機種から選ぶ
表面を覆うカバーと、パッド・バンドの交換を分ける

「ヘッドバンド交換用」という言葉だけで商品を選ぶと、欲しい部品と違うものを買ってしまうことがあります。実際に、純正のHeadband PRO Xは交換用のヘッドパッドとして案内されています。一方、Geekriaのカバーは元のヘッドバンドを取り外さず、その上から覆って付ける用品です。
どちらも頭に当たる部分に関係しますが、行う作業は異なります。
| したいこと | 検討する方法 | 選ぶ前に見る点 |
|---|---|---|
| 今のヘッドバンドを取り外さずに覆いたい | 対応するヘッドバンドカバー | 商品の対応機種と装着方法 |
| 傷んだヘッドパッドを取り替えたい | 対応機種用の交換パッド | 純正部品の適合型番と交換案内 |
| ヘッドバンドそのものの交換を依頼したい | メーカー修理 | 機種別の修理可否と見積もり |
| 折れ・変形などの破損もある | 販売店や修理窓口へ状態を相談 | カバー購入ではなく、破損部位の修理対応 |
表面の傷みを覆いたいのか、部品自体を新しくしたいのかで、選ぶものが変わります。カバーの「元のバンドを外さず装着できる」という説明を、折れたバンドを修復できるという意味には受け取らないでください。破損がある場合は、その状態を修理窓口へ伝えるのが先です。
なお、beyerdynamicは異常が発生した場合、直ちに使用を中止して購入店へ連絡するよう案内しています。
自分で交換できるかは、正確な型番と部品名で判断する
自分で交換できるかを調べるときは、メーカー名だけでなく、ヘッドホンの正確な型番を使います。オーディオテクニカの公式サイトも、修理可否と目安金額を製品型番ごとに案内しています。同じメーカーの別機種で交換できたという例を、そのまま手元の機種へ当てはめることはできません。
もう一つ見落としやすいのが、イヤーパッドとヘッドバンドの違いです。ATH-M50xの公式修理ページでは、イヤパッド交換の行に「お客さま交換可能」とありますが、ヘッドバンド交換は別の修理項目として掲載されています。
イヤーパッドの交換方法が見つかっただけでは、頭側のバンドも同じように外せるとは判断できません。
見る順番は、①手元の型番に対応するサポートページ、②ヘッドバンドまたはヘッドパッドの部品案内、③その部品の交換方法です。ATH-M50xなら、公式ページの「注文可能部品」と「修理金額の目安」を分けて読みます。部品として注文するものなのか、本体を預けて交換してもらうものなのかが、ここで分かれます。
純正パッドの例:Headband PRO Xの適合と交換案内

DT 700 PRO X/DT 900 PRO Xを使っているなら、純正のHeadband PRO Xが交換候補です。日本向け公式ページでは、合皮と柔らかなメモリーフォームを使ったオリジナルヘッドパッドとして紹介され、スナップオンで取り付け交換できると説明されています。部品番号は937673です。
適合製品として明記されているのは、この2機種です。「PRO X」という名前の一部が共通しているだけで、別の機種にも使えると広げないようにしましょう。
また、この商品はヘッドパッドとして説明されているため、バンドの骨組みまで一式交換する部品を探している人は、購入前に必要な部位を修理窓口へ伝える必要があります。
交換方法の入口は、メーカーのPRO Xの部品交換FAQです。ヘッドバンド・イヤーパッド・ケーブルの交換について、実演で段階的に案内するページになっています。取り外す位置や動かす方向は、その対象機種の案内で確かめてください。
「スナップオン」という商品説明だけから、任意の場所をこじ開ける手順までは決められません。
beyerdynamic Headband PRO X 937673 を探す
互換カバーは対応型番と装着方式を見て選ぶ
元のバンドを取り外す交換をせず、上から覆いたい場合にはカバーが候補になります。例として、Geekriaの「ヘッドバンドカバー + パッド セット」のVelour Pad(ブラック/M)は、工具不要で元のヘッドバンドにかぶせる方式。
パッドは取り外し可能で、ベロアと低反発フォームを使うと案内されています。
GEEKRIA Geekria ヘッドバンドカバー + パッド セット ATH Bose Beats EDIFIER Hyperx JBL Logitech Plantronics Sennheiser Skullcandy Sony に対応 ヘッドホンパッド Velour Pad ( ブラック / M ) を探す
この商品の対応表には、ATHのM50x・M50xBT、BoseのQC45、SonyのWH-1000XM5・WH-1000XM6などが掲載されています。これはカバー販売元であるGeekriaの互換性表示です。各ヘッドホンメーカーが販売する純正の交換バンドとは区別してください。
選ぶ際は、商品名に並ぶブランド名だけで判断せず、説明中の個別型番まで照合します。たとえばM50xBTが書かれていても、その記載だけでM50xBT2まで対応すると読み替えることはできません。

商品名が似たカバーを見つけても、同じサイズ・同じ適合範囲とは限らないため、購入するページの仕様を使って判断しましょう。
2026年9月29日の公式販売ページには、このブラック/Mの商品に「売り切れ」の表示があります。購入するなら在庫と対応表を改めて見直してください。なお、ヘッドホン本体は付属しません。用途は手元のヘッドバンドを覆うことであり、バンド本体の破損修理を目的に選ぶ商品ではありません。
ヘッドホンのヘッドバンド交換を修理に出す費用と手順
修理費用の例:ATH-M50xは税込6,600円が目安
オーディオテクニカのATH-M50xは、公式の機種別ページにヘッドバンド交換6,600円(税込)と掲載されています。2026年9月29日に確認した修理目安です。これはヘッドホン全般の相場でも、交換部品だけの販売価格でもありません。
同じページにはイヤパッド交換やドライバーユニット交換も別項目で載っています。頭側のバンドを直したい場合は、イヤパッドの金額と取り違えないことが大切です。また、メーカーの修理規約では、状況や条件によって実際の修理料金が概算額と異なる場合があるとしています。
ほかの不具合もあるなら、それも含めた見積もりで判断します。
オーディオテクニカへ直接発送する修理では、送る際の配送料は利用者負担、修理完了品を届ける料金はメーカー負担です。代引きを選ぶ場合は、案内上400円の代引き手数料も加わります。予算は見出しの修理金額だけで決めず、利用する申込経路と支払方法に応じた負担を合わせて考えましょう。
修理を検討する入口は、ATH-M50xの修理可否・修理目安金額ページです。ほかの型番を使っている場合は、その型番の結果を開いてください。名前が近い製品や限定モデルへ、ATH-M50xの金額をそのまま適用することはできません。
修理の申し込みは、販売店の長期保証を先に確認する


オーディオテクニカは、販売店への持ち込み修理と、メーカーへのWeb修理申込みを案内しています。購入店の長期保証に加入している場合は販売店経由での依頼が指定されているため、直接送る前に保証の加入状況を見ておきましょう。メーカーへ送れば販売店独自の保証も適用される、という仕組みではありません。
- 公式サイトで、手元の型番の修理可否と目安金額を調べる。
- Web修理依頼フォームへ入力し、発行された修理依頼番号を控える。
- 修理依頼番号を送り状に記載して発送する。保証期間中なら、購入日と製品型番が印字されたレシートなどの購入証明を同梱する。
- メールまたは電話による見積もりの連絡を受け、案内に従って支払い手続きをする。
- 修理完了品を受け取る。
無料修理の場合は、見積もりの連絡をせずに修理品が発送されることがあります。また、保証期間内でも内容によって確認の連絡が入る場合があります。申込み後の連絡方法まで一律とは考えず、受付時の案内に沿って進めてください。
不具合の説明は「ヘッドバンドが傷んだ」だけで終えず、表面の剥がれなのか、クッション部分なのか、折れや変形もあるのかを分けて書くとよいでしょう。公式の修理規約も、不具合内容をできるだけ具体的に記入するよう求めています。発送先や最新の受付案内は、修理依頼ページから確認できます。
保証期間内でも、経年劣化や摩耗は無料とは限らない
「買ってから1年以内だからヘッドバンド交換も無料」とは言い切れません。オーディオテクニカの修理サービスでは、購入日から1年以内の不具合・故障を無償修理期間とする一方、落下・破損などを対象外としています。さらに、経年変化や消耗・摩耗による劣化も保証対象外です。
そのため、ヘッドバンド表面の傷みがどの扱いになるかは、購入時期だけでは決まりません。製品に付属する保証書と実際の状態をもとに、窓口で判断されます。メーカー規約でも製品ごとの保証書や特約が優先されるため、一般的な保証期間の説明だけで無料交換を前提にしないことが大切です。
純正以外の部品を使った場合の故障・損傷も、同社の案内では保証対象外です。互換品の対応表は、その用品の適合を確認するためのもの。ヘッドホン本体の保証条件まで変更するものとしては扱えません。保証を使いたい状態なら、部品の交換や加工を進める前に、症状と希望する対応を購入店へ伝えましょう。
古い機種では修理可否も重要です。オーディオテクニカは、修理用部品の確保が難しい製品などは修理できないと案内しています。限定製品は、限定部品がなくなると指定の既存部品による代替修理となり、一部製品・部位では修理できない場合もあります。
色や外観を保ちたい人は、見積もり時に交換後の仕様も尋ねておきましょう。
部品購入か修理かは、総額と預ける期間で決める


最後は、必要な部位を直せる方法同士で費用を比べます。交換パッドが必要なのにカバーの価格だけを見たり、バンド本体に破損があるのにパッド代だけで済むと考えたりすると、目的と予算がずれてしまいます。純正パッド交換、上から覆うカバー、本体を預ける修理のうち、どれが希望する対応かを先に決めましょう。
beyerdynamicの国内窓口では、部品購入と修理で費用の内訳が異なります。部品購入には、部品代のほかに送料、取扱手数料880円、代引き手数料が案内されています。ただし、送料はパーツ購入欄に「片道935円」、同じ料金欄に「720円~6,770円」とも記載されており、適用条件を読み取れません。
記載額はいずれも税込です。価格は問い合わせ後の見積もりとなるため、適用される送料と手数料を含めた総額を窓口で確認してください。
同窓口の保証なしの修理は、修理代・片道送料・代引き手数料という案内です。保証期間外製品の修理見積もりをキャンセルする場合には、税込4,400円の見積もり料金がかかります。「見積もりを取ってから考えたい」場合も、この条件を含めて依頼するか判断してください。
これらは国内修理窓口の条件であり、一般の販売店で部品を買う場合の送料へ転用はできません。
本体を使えない期間も、修理を選ぶ際の条件です。オーディオテクニカは、修理で預かっている間の代替機や貸出機を提供しないとしています。また、beyerdynamicの「修理完了後1〜7営業日以内に発送」という案内は、受付から修理完了までの日数ではありません。



毎日使うヘッドホンなら、必要な日までに戻るかを窓口へ相談したうえで依頼しましょう。
ヘッドホンのヘッドバンド交換のまとめ
この記事のまとめです。
- ヘッドバンド交換は、パッドの交換・カバーの装着・本体の修理を分けて選びます。
- イヤーパッドを自分で交換できても、ヘッドバンドも同じ方法で交換できるとは限りません。
- Headband PRO Xは、DT 700 PRO X/DT 900 PRO Xに適合する交換用の純正ヘッドパッドです。
- 取り外し方は対象機種の交換案内で確認し、商品名だけから分解方法を決めないようにします。
- 互換カバーは販売元の個別型番の対応表で選び、バンド本体の破損修理とは区別します。
- ATH-M50xのヘッドバンド交換は、2026年9月29日確認時点で税込6,600円が修理目安です。
- オーディオテクニカへの直接発送修理は発送時の送料が利用者負担。販売店の長期保証に加入している場合は販売店経由で依頼します。
- オーディオテクニカでは経年変化や消耗・摩耗による劣化は保証対象外で、保証期間内でも無料とは限りません。
- 部品購入と修理は、部品代・修理代だけでなく、送料や手数料を含めた総額で比べます。beyerdynamicの送料は料金欄に異なる表示があるため、適用額を窓口で確認してください。また、保証期間外製品の修理は、見積もりをキャンセルすると4,400円(税込)がかかる点も判断に含めましょう。
- 修理完了後の発送日数と修理全体の期間は別です。貸出機の有無も含め、必要な日程を窓口へ相談します。









