マイクのショックマウントは、床や机からスタンドを通じて伝わる振動を和らげる取り付け具です。自宅で録音や配信をするとき、机に触れた際の「コツコツ」「ゴソゴソ」が気になるなら、検討したいアクセサリー。一方、声を出したときの息による「ボフッ」には、ポップフィルターなど別の対策が関わります。
選ぶときは、まず使っているマイクの正確な型番を確認し、次にスタンドやアームとの接続を見ます。「マイクが入りそう」「ネジが合いそう」だけで決めないことが大切です。役割と必要性を押さえたうえで、対応が明記された具体的な候補まで見ていきましょう。
- 床や机から伝わる振動を和らげる役割
- 卓上設置や周囲で動く場面での必要性
- ポップフィルターとの用途の違い
- 対応型番とスタンドのネジ規格による選択
マイクのショックマウントの役割と必要性
ショックマウントとは?普通のホルダーとの違い

ショックマウントは、ゴムバンドなどを介してマイクを支え、床から伝わる振動を遮断するための取り付け具です。オーディオテクニカの解説では、マイクを空中に浮かせるような状態で固定する仕組みとして紹介されています。マイクを直接固い部品で支えるだけでなく、間に弾性のある素材を挟むところが特徴です。
普通のマイクホルダーも、マイクをスタンドに取り付けて支える役目を持ちます。たとえば、マイク本体の絞り込まれた形状を利用して固定するタイプや、バネで挟むクリップ型があります。ショックマウントは、その「支える」という役目に、振動がマイクへ伝わるのを抑える仕組みを加えたものと考えると分かりやすいでしょう。
スタジオで使われるマイクには、専用のショックマウントを用いるものもあります。見た目の大きさや複雑さで優劣を決めるより、自分のマイクに対応した取り付け具かどうかが先。通常のホルダーとショックマウントは、固定できるかに加え、どのように支えて振動へ対処するかという違いがあります。
減らせるのはスタンドなどを伝わる振動ノイズ
自宅でイメージしやすいのは、キーボードを打つ、マウスをクリックする、机の上で腕を動かすといった動作です。オーディオテクニカは、こうした振動がマイクスタンドを通じて伝わると、録音に不要な低音ノイズが混じることを説明しています。静かに話しているつもりでも、声とは別の経路から録音へ影響するわけです。
ここで区別したいのは、キーボードの操作に伴ってスタンドへ伝わる振動と、キーボードから聞こえる音そのもの。メーカーがショックマウントの働きとして説明しているのは、マイク本体を弾性素材で吊り下げ、スタンドからの物理的な振動を和らげることです。
「装着すればタイピングに関する音が全部消える」という意味には広げられません。
必要性が高いのは卓上設置や周囲で動く場面

ショックマウントを優先して検討したいのは、マイクをテーブル上に置く場合や、マイクの近くで頻繁に動く場合です。LEWITTの国内サポートは使用を常に勧めつつ、とくにこの二つの場面で重要だとしています。卓上で声を録りながら手元を操作する用途なら、振動対策を考える理由があります。
ただし、どんな配置でも必ず装着しなければならない、とまではされていません。同じサポート記事には、ショックマウントが邪魔になる場合や、使わないほうが狙った配置を取りやすい場合は、注意して配置すれば使わなくても問題ないという説明もあります。推奨はされていても、設置の都合を無視した必須条件ではないのです。
予算や置き場所で迷うなら、「録音するマイクだから必要」と一律に決めず、机や床の振動が気になる使い方か、取り付けによって必要な配置を妨げないかを判断軸にしてみてください。録音への不意な振動の影響を減らしたい人ほど、導入する目的がはっきりします。
ポップフィルターとは対策するノイズが違う
ポップフィルターは、声を出すときの息が直接マイクに当たるのを和らげるためのものです。「パ」行や「バ」行の発音で生じる「ボフッ」というポップノイズなどが対象。マイクスタンドから伝わる振動を和らげるショックマウントとは、対策する原因が異なります。
| アクセサリー | 主な役割 | 検討する場面 |
|---|---|---|
| 通常のマイクホルダー | マイクをスタンドに固定して支える | マイクを所定の位置へ取り付けたい |
| ショックマウント | スタンドなどから伝わる物理的な振動を和らげる | 机の操作や床の振動が録音へ影響する |
| ポップフィルター | マイクへの息の直撃を和らげる | 発音時の「ボフッ」という音が気になる |
たとえば、声を出す瞬間に息の音が入ることが悩みなら、ショックマウントだけに解決を期待するのは目的がずれます。反対に、机を使った動作に伴う振動が問題なら、ポップフィルターだけではその役割を代わりに担えません。どちらを先に選ぶかは、気になるノイズがどんな場面で出るかに結び付けて考えます。
両方の原因へ対策したいなら、両方を使う意味があります。LEWITTの国内サポートでも、ボーカルだけでなくポッドキャスト、ナレーション、配信などで破裂音を減らすために、ポップフィルターの使用を勧めています。

アクセサリーを一式そろえること自体より、振動と息、それぞれに合った道具を組み合わせることが大切です。
マイクに合うショックマウントの選び方と購入候補
汎用品は直径だけで決めず、まず対応型番を見る
最初に確認するのは、ショックマウント側の対応機種に、自分のマイクの正確な型番があるかどうかです。LEWITTの国内サポートでは、通常は特定のモデルやシリーズに最適化して設計されると説明されています。
そのため、同じメーカーだから、あるいは外見が似ているからという理由だけで適合を判断しないほうがよいでしょう。
汎用タイプを検討するときも、マイクの直径が合って保持できることだけでは、十分な判断になりません。同サポートは、別メーカーのマイクを保持できる製品でも、効率的に機能しない可能性があるとしています。理由として示されているのは、マイクのモデルと、その特定の質量に合わせた設計です。
これは「汎用品はすべて使えない」という意味ではありません。保持できることと、意図した振動対策が得られることを分けて考える、という選び方です。汎用品なら、その製品が定める対応条件と手元のマイクを照合する必要があります。
対応型番が明記された製品から探せば、形状や質量について自分で推測する部分を減らせます。
私なら、まずマイクの型番を末尾まで控え、メーカーのアクセサリーページや対応機種FAQで照合します。たとえば、オーディオテクニカのFAQには「AT2020」「AT2020USB+」「AT2020USBi」がそれぞれ記載されています。
「AT2020系」とひとまとめにせず、手元の名前と一覧を一つずつ合わせるのが確実です。
スタンド・アームとの接続はネジ規格を別に確認する


マイクへの対応が分かったら、次はショックマウントを取り付けるスタンドやブームアームとの接続です。「マイクがマウントに合うか」と「マウントがスタンドに合うか」は別の確認事項。前者を満たしていても、後者ではネジ規格を照合する必要があります。
オーディオテクニカの解説では、マイク・ホルダー・スタンドの接合部に、W 3/8、NS 5/8、PF 1/2といった異なるネジ規格があることが示されています。さらに、スタンド側とホルダー側にはオス・メスの違いもあります。単に「マイク用のネジ」と考えず、使う機材同士の表記を見比べましょう。
規格の違いに対応するため、変換ネジアダプターを使う製品もあります。たとえばAT8458aは、本体のネジ径が5/8インチで、付属の3/8–5/8変換ネジアダプターを必要に応じて使用する案内です。この付属品情報はAT8458aの条件であり、別のショックマウントにも同じものが入っているとは限りません。
取り付けの大枠は、ショックマウントをスタンドに取り付け、その内側へマイクを置いて固定する流れです。ただし、固定部の構造は製品ごとに確認する必要があります。購入前には対応マイク、スタンド側の接続規格、変換アダプターの有無をまとめて見ておくと、必要な組み合わせが明確になります。
AT2020などの対応機種にはAT8458a
オーディオテクニカの「AT8458a」は、振動ノイズを吸収するショックマウントです。メーカーの解説では、マイクを弾性素材で吊り下げる構造によって、マイクスタンドから伝わる物理的な振動を和らげる製品として紹介されています。対応するマイクで卓上録音や配信をするなら、候補になります。
| 確認項目 | AT8458aの公式案内 |
|---|---|
| 対応マイク | AT2020、AT2020USB+、AT2020USBi、AT2020TYO、AT2035、AT2050 |
| 本体のネジ径 | 5/8インチ |
| 変換ネジアダプター | 3/8–5/8を付属。取り付け時に必要に応じて使用 |
| 主な目的 | マイクスタンドから伝わる物理的な振動の緩和 |
この候補で重視したいのは、対応機種を具体的に照合できる点です。手元のマイクが一覧と一致していれば、次は使っているスタンドやアームのネジを確認する段階へ進めます。反対に、型番の末尾が違う機種については、この一覧だけで対応すると判断せず、該当機種の案内を見る必要があります。
AT8458aは、息の直撃によるポップノイズ対策とは分けて検討します。机を使った動作からの振動が主な悩みなら用途が合いますが、声を出すたびに「ボフッ」と入ることが悩みなら、ポップフィルターも検討する場面です。製品情報はAT8458a公式ページ、対応型番と変換ネジの条件はメーカーFAQで確認できます。
LCT 240 PRO・LCT 441 FLEXにはLCT 40 SHW


LEWITTの「LCT 40 SHW」は、スタジオマイク用のショックマウントです。日本語公式ページでは、マイクスタンドから伝わる騒音、衝撃、振動を減衰させる製品として案内されています。対応機種欄に掲載されているのは、LCT 441 FLEXとLCT 240 PROです。
取り付けについては、すばやいネジ留めによって簡単にセットアップでき、3/8インチおよび5/8インチのネジ規格と互換性があると説明されています。



マイクへの対応と、スタンド側のネジへの互換性がそれぞれ示されているため、この二つを分けて照合できます。
| 候補 | 公式案内で確認できる対応マイク | スタンド側の接続条件 |
|---|---|---|
| オーディオテクニカ AT8458a | AT2020、AT2020USB+、AT2020USBi、AT2020TYO、AT2035、AT2050 | 本体5/8インチ。3/8–5/8変換ネジアダプター付属 |
| LEWITT LCT 40 SHW | LCT 441 FLEX、LCT 240 PRO | 3/8インチ、5/8インチのネジ規格と互換性あり |
この2製品は、どちらの振動低減性能が上かという順位で選ぶより、手元のマイクとの適合を先に見る候補です。LCT 40 SHWも、LEWITTのマイクすべてに使えると読み替えず、掲載された対応機種を基準にします。詳しくはLEWITTのLCT 40 SHW公式ページをご覧ください。
マイクのショックマウント選びのまとめ
この記事のまとめです。
- ショックマウントは、弾性素材などを介してマイクを支え、床やスタンドから伝わる振動を和らげます。
- タイピングなどに伴う物理的な振動が対象で、関連する音すべてが消えるとは限りません。
- テーブル上にマイクを置く場合や、周囲で頻繁に動く場合は、導入を優先して検討できます。
- LEWITTの国内サポートは使用を推奨しつつ、配置の妨げになる場合などは使わない選択も認めています。
- 息によるポップノイズにはポップフィルター。振動対策とは役割を分けて考えます。
- マイクを保持できるだけで、十分に機能するとは限らないため、対応モデルや質量の条件が重要です。
- マイクとの適合と、スタンド・アームとのネジの適合は別々に確認します。
- AT8458aはAT2020、AT2020USB+、AT2020USBi、AT2020TYO、AT2035、AT2050に対応しています。
- AT8458aの本体ネジ径は5/8インチ。必要に応じて付属の3/8–5/8変換ネジアダプターを使います。
- LCT 40 SHWの公式対応機種欄にはLCT 441 FLEXとLCT 240 PROが掲載され、3/8インチ・5/8インチのネジ規格に対応しています。











